
OpenAI、エンタープライズ向けAIエージェント構築・運用プラットフォーム「OpenAI Presence」を発表
OpenAIは、企業がカスタマーサポートや社内ワークフロー向けにAIエージェントを構築・運用・管理するための新プロダクト「OpenAI Presence」を発表した。音声およびチャットチャネルに対応し、既存の社内システムと連携させた自律的な業務実行と、運用後の継続的な評価・更新基盤を提供する。
背景と製品の主な機能
エンタープライズ環境におけるAIエージェント導入では、製品仕様や社内規定、ユーザー行動の変化に伴い、いかに精度と制御性を維持するかが課題となっていた。Presenceは、単一のモデル提供にとどまらず、エージェントの動作を管理・評価するための以下のシステムで構成されている。
- アクセス権限とポリシーの設定: 請求処理、保険金の請求対応、社内ITサポートなど特定業務ごとに限定したナレッジとシステムアクセス権限を付与。エージェントが実行可能なアクションや、人間へエスカレーション(引き継ぎ)を行う基準を事前設定する。
- テストおよびガードレール機能: 運用開始前に一般的なリクエストや例外ケース、高リスクなシナリオに対するシミュレーションを実施。規定遵守やツール利用の正確性を評価・確認する。
- Codexを活用した改善ループ: 運用中のログやエスカレーション事例を分析し、Presenceプラグインを搭載したCodexが設定やルールの更新案を作成。運用担当者は本番環境とのテスト比較を行った上で更新を適用できる。
実証事例と導入企業の動向
OpenAI自社の英語電話サポート窓口(1-888-GPT-0090)における運用では、発信者の本人確認、アカウント情報の照会、申請手続きなどを実施。数週間で同社のサポート品質基準に達し、現在はインバウンド問い合わせの75%を人手を介さずに解決している。また、Codexによる改善ループの適用により、10日間で人間への引き継ぎ率が15ポイント低下したとしている。
他企業における実証・検証例は以下の通り。
- BBVA(メキシコ): メキシコにおける日常的な銀行業務向けの音声サポート検証。
- ソフトバンク: 日本語によるカスタマーコミュニケーションの検証。
- IAG(インターナショナル・エアラインズ・グループ): 悪天候時などの需要急増期におけるリアルタイムサポートの検証。
提供形態と利用方法
「OpenAI Presence」は、適格なエンタープライズ顧客を対象に限定的な一般提供(Limited General Availability)として公開されている。セルフサービス形式での提供は行われておらず、OpenAIのFDE(Forward Deployed Engineers)およびパートナーであるグローバルシステムインテグレーターが導入・運用を支援する構成をとっている。既存のOpenAI APIを通じたモデルアクセスも引き続き提供される。

Fumi Nozawa
デジタルマーケター & ストラテジスト
Paul Smith、Boucheronといったグローバルブランドでデジタルマーケティングを担当。現在は海外を拠点に、戦略設計からWeb実装までを牽引。マーケターとしての視点とテクノロジーへの理解を活かし、欧米企業の日本進出やブランド成長を支援しています。
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